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旅先の出会いはあるものなのか

失恋から立ち直るため一人旅へ行った時の思い出

D子さんとの交際がうまくいかず、落ち込んだ気分を吹き飛ばすため一泊二日で出かけた時のこと。
出発前に友人から「失恋したときに旅先で出会う女の子は3割り増しで可愛く見えるから気をつけろよ」とからかわれて、意味もなくソワソワした気分になりました。
とはいえ、今回の旅行先は温泉が有名なエリアで、観光で訪れるのは比較的年配の方が多いということも知っていたので、「よくよく考えれば運命的な出会いが期待できる場所じゃないな」という気持ちで出発しました。

実際、現地に着いたら観光で来られている人自体があまり多くない。
もちろん閑散としているわけではないものの、お土産屋さんなどを回っても若い人はほとんどおらず、なんだか期待していた自分が恥ずかしくなりました。
とはいえ、素敵な出会いは意外なところに待っていたのです。

素敵な出会いはあったものの交際までは発展せず

「ちょっとお酒が飲みたいな」と思ったのでフロントの方に相談したところ、地元で人気の焼き鳥屋さんを紹介されました。
一見さんでも入りやすいということで早速行ってみると、明るく元気な女性の店員さんが出迎えてくれました。
たまたまお客さんが少なかったこともあり、お勧めのメニューを丁寧に教えてくれる店員のF子さん。
かわいらしい雰囲気でとても魅力的に写ります。

「これが3割り増しのパワーか!」と思いつつ、観光で来たことをアピールしながら頑張って会話を続けてみる私。
「地元の人しか知らないようなおいしいお店はありますか?」と尋ねたところ、おいしいラーメン屋さんがあると教えてくれました。

ここが勝負とばかり、「明日のお昼に行ってみたいんですけど、連れて行ってもらえませんか?」とお願いしてみました。
どこから来たのかと思うほどの勇気と積極性です。
すると「いいですよ」と気軽な感じでOKの返事が!
さっそく連絡先を交換しつつ、待ち合わせの時間と場所を決めます。
店を出て宿に戻る時の足取りは恥ずかしいくらい弾んでいたと思います。

そして翌日、チェックアウトした後で焼き鳥屋さんの近くでF子さんと合流し、早速ラーメン屋さんに向かいます。
F子さんの少しだけ訛りがある話し方も何だか可愛く聞こえてくるものです。
会話に集中しすぎたおかげでラーメンの味はあまり覚えていないのが残念ではあるものの、とても心地よい時間が過ぎました。

さて、店を出て駅に向かう途中で私なりにさり気なく「せっかく連絡先を交換したので、また連絡してもいいですか?」と尋ねると、「またぜひ遊びに来てください」という返事。
とても親切ながらはっきりとした回答をいただきました。
交際には繋がらなかったとはいえ、F子さんと知り合えたのは個人的には良い出会いだったと感じていて、なんとなく満足しています。
「そんな甘ちゃんだから婚活がうまく行かないのだ!」というお叱りはどうかご容赦ください。